Music/CD感想

The Back Horn/キズナソング  (ASIN:B0006TPGAE)

2曲入りマキシシングル。 表題曲は、ストリングスを大々的に配し、壮大なスケール感を持たせたバラード。もっとも、バラードと言ってもメロディ遣いにはいかにも彼ららしい翳りと熱とが見えるし、弦楽器の音が非常に分厚いので全体的な音の強度が落ちている…

Impious/Hellucinate  (ASIN:B00031QQ90)

試聴して気に入ってはいたものの何となく買うには至らなかったが、つい先頃ちゃんと買って改めて聴いた。いや、これはかなりいい。剛直で頑強で無骨で、潔さを感じるくらいのトップスピードですっ飛ばすデスラッシュ。無駄な部分は極力削ぎ落とされていて、…

The Mars Volta/Frances The Mute  (ASIN:B00074C4D0)

全5曲(ただし、トラック上は12曲分のパートに分かれている)で76分、更に#5「CassandraGeminni」は32分。と容赦なく既存のポップミュージックの枠組みを無視しつつ、真摯な対峙を聴き手に強いる2ndアルバム。 実質上全曲がひとつなぎであり、異様にテンシ…

Dark Tranquillity/Character  (ASIN:B0006Z3DEY)

ダークでどこか艶っぽいリフ遣いをガツガツと噛み付くような速いビートに乗せて叩き付け、ブラストビートまで使ってブルータルに迫り来る#1「The New Build」のインパクトが甚大。前作「Damage Done」の路線を更に推し進めて老練な構築力と奥行きのある美…

短い感想その1:ヴードゥー・ファイアー

ここ1〜2ヶ月くらいの間に買ったり借りたりサルベージしたり注文したりしたアルバムについて、簡単な感想を書いてみたい。メモ書き程度に。 Cathedral/Caravan Beyond Redemption (ASIN:B000023ZN5) 注文してから長い間待っていたのが最近やっと届いた。…

Adrian Belew/Side One  (ASIN:B00070EBSK)

レス・クレイプール(Primus)、ダニー・カーリー(Tool)と言うあまりにエグいリズム隊を迎えて製作された、と事前に聞いていたので非常に楽しみにしていたアルバム。この二人は九曲中#1「Ampersand」、#2「Writing On The Wall」、#3「Matchless Man」の…

Cock Roach/青く丸い星に生まれて  (ASIN:B00031YBJC)

よく読んでいるサイトの幾つか(桜色パレットさん、ラバーソウルの音楽、サッカー、映画さん)で紹介されてたのに興味を持って前作「赤き生命欲」を聴いたら非常に好みなタイプの音楽だったので、去年発表された本作も聴いてみた。 独特の日本的な……ただし歌謡…

Patton/Kaada/Romances  (ASIN:B00068C81K)

元Faith No More、今は種々のリーダーバンドやプロジェクト、他アーティストとの競演でひたすらに我が道を往きつつIpecac Recordを主宰する変態ボイスパフォーマー、マイク・パットンと映画音楽を手がけたりもするノルウェーの音楽家、カーダのコラボレーシ…

フジファブリック/フジファブリック  (ASIN:B00062RTFG)

フジファブリックの1stアルバムを今頃になって聴いた。 不自然なフレーズや聴き手がつんのめるようなリズムのトリックを散りばめて、作り出した違和感をそのまま楽曲のフックにする、と言う手法を多用するバンドと言う印象。要するに、ある意味でのワザとら…

The Blood Brothers/Crimes  (ASIN:B0003035B8)

彼らの音に接するのは初めて。前作はロス・ロビンソンのプロデュースによるラウドロックに寄ったカオティック・ハードコアと聞いていたので、本作もそんな感じだろうかと思いつつ再生したら手触りが全然違っていたので驚いた。大きく変化した、と言う事なん…

トルネード竜巻/Fairview  (ASIN:B0006GB0BQ)

フルアルバム「アラートボックス」からおよそ半年振り、5曲入りのミニアルバム。曲数が少ないので、一曲ずつ感想を言ってゆきたい。 表題曲でもある#1「Fairview 〜眺めのいい景色」は落ち着いたリズムでたゆたうようなヴォーカルを聴かせる曲で、いかに…

Opeth/Lamentations:Live at Shepherd's Bush Empire 2003(DVD)  (ASIN:B000127ZEG)

タイトル通り、「Deliverance」「Damnnation」発表後の2時間に渡るライヴを収録したDVD。1時間ほどのレコーディングドキュメントも収められている。ライヴは二部構成で、前半は「Damnnation」を曲順通りに再現+「Harvest」、後半は「Deliverance」と「Bla…

東京事変/教育  (ASIN:B0002KP418)

椎名林檎がソロ活動を停止させた後に手練のプレイヤーを引き連れて結成したバンドの1stフルレンスオリジナルアルバム。先行シングルとして発表された#2「群青日和」と#4「遭難」を含む本作は全12曲42分と一曲ごとが短く、なかなかコンパクトに収まってい…

ポチャカイテ・マルコ/Laya  (ASIN:なし)

#1「Laya」の冒頭、タブラと民俗音楽風のスキャット(?)の組み合わせからして怪しいが、全編そんな調子で胡散臭い、と言うのが一聴しての印象。B、Dr、Vln、Keyと言う編成のインストゥルメンタルバンドで、本作は2ndアルバムになる(1stは未聴)。ところどこ…

Reflux/The Illusion Of Democracy  (ASIN:B0003035BI)

無理矢理端的に説明しようとするとメタルコアとカオティックハードコアの融合形、そこにスパイスとしてエモとロックンロール……と言った辺りになるのだと思う。細切れなリズムチェンジと場面転換を何度も何度も偏執狂的に繰り返しつつ、スラッシーかつゴリ押…

ムック/朽木の灯  (ASIN:B0002J5374)

ヘヴィロックやメタルを基盤にしつつ、インダストリアル、パンク、歌謡曲やフォーク、童謡、ロカビリーなど、様々な音楽要素が透けて見える雑食性。90年代アメリカのヘヴィロックが得意とした「汚い」ヘヴィネス、攻撃的でダークなリフと叙情的なアルペジオ…

Wrench/Temple Of Rock  (ASIN:B0002ZF10M)

ドラマーの交代、ベスト盤「Wr99B」のリリースを挟んで、3年弱振りの7th。打ち込みとバンドサウンド、縦ノリと横ノリ、シリアスでハードコアな面とダンスミュージックの享楽的な面、等などの相反する表情を併せ持つ独自のヘヴィロックは健在で、相変わらず…

Air/One{2004.1.10 yokohama arena}  (ASIN:B0001J0DSY)

この間のSylのライヴDVDの時に書き忘れていたが、DVDの感想もCD感想と一緒のカテゴリにする事にする。そうした方が解りやすいので。 で、これはタイトル通り今年の1月に横浜アリーナで行われたライヴの模様を収めたもの。MCがほとんどカットされているため…

Boom Boom Satellites/Spine+Dive For You  (ASIN:B000666WN2)

タイトル通りの両A面シングル。3rdアルバム「Photon」は静のイメージが強く、どちらかと言えばじっくり聴くような音楽だったが、本作は両曲ともに非常に攻撃的、かつ高速。ロックのカタルシスを前面に押し出している。 まず、#1「Spine」。脳内麻薬のため…

Isis/Panopticon (ASIN:B0002Z83KC)

引きずるヘヴィネスを牽引する歪んで濁ったリフ、幾重にも幾重にも積み重ねられる反復が時間感覚を麻痺させながら喚起する酩酊感、深く残響してゆくクリーントーンのギターフレーズ、濁声が吐き出す切実な叫び、祈るような厳粛なメロディ。曲の形式や纏って…

Pain Of Salvation/Be  (ASIN:B0002ZF0SU)

今年初頭に発表したアコースティック・ライヴアルバム「12:5」の流れをそのまま継いだかのように、アコースティックな色合いが濃く、そして今まで以上に弦楽器や管楽器を使ったパートが多い。曲によってはもはやチェンバーロックやそれを踏まえたポストロッ…

Sadesper Record/A Sort of Sound Tracks for U.F.O.  (ASIN:B0001BUDDW)

こちらはそのCoaltar Of The Deepersの首謀者・NarasakiとMelt-BananaのOhshimaによるプロジェクトのミニアルバム。インディーズ映画「U.F.O.」のサウンドトラック、と言う事になっているらしい。と言う事でいかにもサントラ的なインストの小曲が並ぶが、そ…

Coaltar Of The Deepers/Penguin e.p  (ASIN:B000666T8U)

2002年のアルバム「Newave」以来、およそ2年半振りの音源。 チープなシンセ音に凶悪なリフとガツガツ突き進むリズム隊と思い切り歪ませたデス声が重なり、サビではキュートなメロディを例の中性ヴォイスがいつになく安定したピッチで歌い上げる#1「Fastest…

Strapping Young Lad/For Those Aboot To Rock  (ASIN:B00062IYEG)

デヴィン・タウンゼンド率いるエクストリーム・インダストリアル・ヘヴィメタルバンドのライヴDVD。大体70分くらい、と数字で収録時間を見てみるとちょっと短めのような気もするが、音数=情報量の多さ、出音のタフさ、バンドの存在感、それらが一体になって…

Burzum/Filosofem  (ASIN:B000025SJ9)

そのDunkel ist das Leben, ist der Todのゆさんから貸して頂いたもの。ノルウェーのブラックメタルバンド、1995年発表の4thアルバム。 このアルバムを表すのに丁度良い文章がとあるゲームにあるので、引用をする。 始まりの刑罰は5種、生命刑、身体刑、自由…

The Back Horn/コバルトブルー  (ASIN:B0002ZF0WQ)

3曲入りシングル。表題曲#1は、極めてヘヴィメタリックなギターリフを骨格に組み上げられた疾走感に溢れる曲。性急なビートやザラザラジャキジャキとしたギターの音には、前のシングル「夢の花」(感想はこちら)のカップリング曲には足りなかった攻撃性が…

Dogggy Style/月桃ディスコ  (ASIN:B00061QWQE)

普段あまり聴かないジャンルの音楽、特に邦楽のそれを聴いてみようかと思った時に参考にしているサイトが幾つかあるんだけれども、これはそのうちの「ラバーソウルの音楽、サッカー、映画」さんで紹介されているのを読んで興味を持ったもの。4曲入り(内1曲…

Nasum/Shift (ASIN:B00063UEC0)

刃の雨。槍衾。一秒間に100発銃弾を撒き散らす重火器。火炎放射器。そう言った類のもの、目の前にあるもの全てを灰燼に帰すためだけに存在するものがそのまま音楽になったかのような、或いは地獄の釜を開いてしまったような。そういう激烈メタル。前作から軸…

Mo'some Tonebender/The Stories Of Adventure  (ASIN:B0002TB7XI)

前作「Trigger Happy」での大胆なエレクトロニクスの導入はどうも消化不足のままでに終わっていた印象が強かったので、本作には前々作「Light,Slide,Dummy」と前作とを融合させた更なる強烈な音を期待していたが、聴いてみたら予想と全然違う表情を持つアル…

The Haunted/rEVOLVEr  (ASIN:B0002XVTU0)

北欧の爆裂デスラッシュバンドの4枚目……と言いつつ、このバンドについてはそもそも聴き始めてからまだ数ヶ月しか経っていなくて、しかも2ndは飛ばしていて未聴。まあそれはともかくとして、とにかく鋼鉄鋼鉄鋼鉄。斧か鉈か洋式の剣か、自重と腕力で断ち切る…