Music/CD感想
Dream Theaterは、今まで大抵は即効性に優れたアルバムを作って来た。ただ、彼らの即効性とはポップネスやキャッチーさとは異なり、一聴しただけで否が応でも納得させられるような、圧倒的な凄みとなって現れている事が多かったと思う。特に、「Metropolis p…
メランコリックで寂しげな空気に覆われていた1st「Lost Souls」、そこから一気に希望的なムードに展開して見せた2nd「The Last Broadcast」は、いずれもスケール感の大きな音作りや時間をたっぷり使った曲構成を持っていて、言い換えればやや仰々しいところ…
アメリカのメタルコアバンド、2枚目のアルバム。ちょっと調べてみたら所属レーベルのProstheticはLamb of God、そしてRefluxがいるのか……確かに、典型的なメタルコアのスタイルとはやや距離を置き、より攻撃的な姿勢の強い独自路線と言う意味では通ずるとこ…
一聴して前作「Hover Hover」から確実にステップアップした、と言うのは感じられた。耳残りが良いメロディが増えたし、曲ごとの輪郭もはっきりしてきたと思う。元々レゲエ/ダブがベースにある音楽性だが、そのルーツをより明確に打ち出しいるところもあれば…
ゆらゆら帝国とは今まであまり縁がなかった。アルバムを数枚聴いたが、伝え聞くイメージから想像していたカルトでアングラな音像よりも随分とストレートなロックンロールだったりポップで歌謡曲めいたところが多かったし、似た種類の音を出しながらよりヘヴ…
プログレッシヴロックの思慮深さと叙情性、浮遊感と眩惑に満ちたサイケデリア、自己の内側にゆっくりと埋没してしてゆくニューウェーヴ的で陰鬱な「個」の匂い、アコギやピアノ音を効果的に織り込む事で生み出されるノスタルジックな柔らかさと、非常にタイ…
大雑把に言ってしまえばカオティックハードコアの流れを継ぐ複雑系激音を鳴らすバンドの1stアルバム。ConvergeやMastodon、The Mars Volta、それにIsis辺りの影響ははっきりと見て取れるが、「The Dark Side of the Moon」をストレートに思い起こさせるタイ…
1stの出来が良かった、と聞いていたが結局未聴で、個人的には相対するのは初めてとなるフィンランドのメロディックデスメタルバンド、2枚目。これぞメロデス、と言わんばかりに先行バンドの長所を貪欲に取り入れたストロングスタイルで、オリジナリティには…
デタミネーションが何よりもモノを言う類の音楽を日頃から好んで聴く身ではあるが、それにしたってこれほどにタフで、信念が篭っていて、そして自分たちのスタイルに対する揺るぎない自信と不退転の覚悟がくっきりと刻み付けられているアルバムには滅多に出…
去年発表したEP「I」(感想はこちら)を挟んで、3年ぶりの5thアルバム。トラックは13に分けられているものの、実質上は47分のランニングタイム全てが1曲、と言う構成になっている。また、どう言うわけかドラムは打ち込み。自らのバンドのドラマーの音をサン…
トリプルA面、と銘打たれた3曲入りマキシシングル。3曲がそれぞれ異なる表情を持ちつつもいずれもじつに彼ららしい曲に仕上がっている、と言うのはいつも通り。 図太いベースラインに硬質でどこかブレイクビーツ的でもあるドラム、トレードマークとも言え…
2曲入りマキシシングル。今までの全ての曲を菅野よう子が作曲していたかどうかはちょっと調べていないが、少なくともシングルとしては初の菅野よう子以外の作曲家による楽曲のはず。 表題曲は、冒頭のギターの使い方やシンセによるトラッド風のフレーズこそ…
アウトテイク集的な位置付けである「Steal This Album!」を除けば3年半ぶりの3rdアルバム。今年中に発表されると言うもう一枚の「Hypnotize」と対になるアルバムと言うだけあって、11曲で36分とややボリュームは少な目。だが、聴き終わってからこれでまだ36…
収録された4曲全てがカヴァー、と言うミニアルバム(ただ、実際はマキシシングル扱いのようだが)。とは言っても元の曲を知っていたのは一曲だけだったし、それに何よりどの曲も見事に彼らの色に染め上げていたので全く新鮮な気持ちで聴けた。 #1「ついてお…
アメリカのエモバンド、2ndアルバム。エモと言いつつもそう括られるバンドの多くが持つ壮大なスケール感や涙腺を刺激する刹那げなメロディ、と言った要素は希薄で、その代わりに音楽性の骨子を成すのはストーナーロックの要素。ヘヴィでどこか官能的なリフを…
イギリスのヘヴィメタルバンドの3rd。ヘヴィメタルと言うか、要するにこれはロックのアルバムです。最高に野蛮でアタマ悪くて何も考えないまま死ぬまで突っ走ってそれをよしとする、これ以上ないくらいにド汚くてクールで格好いいロックアルバム。ロック音楽…
ダブはまだ聴き始めたばかりでそれについて説明する言葉も良い聴き方も解らないが、去年の末から今年にかけて聴いたものの中から幾つか短い感想を書いてみたい。 Rhythm&Sound/See Mi Yah (ASIN:B0007DHOIQ) ドイツのダブユニット、2ndアルバム。あまり派…
Anekdotenの弟分的存在のバンドである、と言う事実はライナーノーツを読んで初めて知った事。だが、試聴機のポップにあった「60〜70年代そのまま」「やりすぎ」「プログレ」「北欧」と言う言葉を見て、冒頭の11拍子のベースリフと呪術的なドラムが絡む#1「…
おおよそ2年半振りの6thアルバム。前作「On Fire」は自分の中で未だに良いと思えないアルバムなので、本作もさほど期待値の高くない状態で向き合ったんだけれども、これがなかなか悪くない……と言うか、良い。かつてのルーズでサイケでヤクザな方向性は既に…
いわゆるロック正史の中心にあって信仰を集め、最も音楽に音楽以上の意味を求められるバンドの一つ。と言うのがNew Orderに対する自分の認識で、音源は一通り聴いてはいるものの全くの後追いだし、リアルタイムで新譜を聴くのも初めて。と、そう言った塩梅だ…
約二年半ぶり、4枚目のアルバム。先行シングルから予想された通り、非常にキャッチーかつアッパー、初期の「Out Loud」や「Joyride」に近い手触り。 一枚通して聴いて、まず強く印象に残るのは人の声の部分。#1「Rise and Fall」、#2「Let it All Come …
チェコのゴシックメタルバンドの5thアルバム。#1「Look」の冒頭、フィルインに導かれて表れる弦楽器の響きを聴いた瞬間に傑作だと解ってしまうような、素晴らしい一枚。 歪み切って低く低く蠢くリフに徹するギター、引きずる重さと優美な軽やかさの両面を…
2003年発表の1st「Effloresce」(感想はこちら)が素晴らしかったイギリスのバンド、5曲入りEP。注文していたものがなかなか届かなかったんだけれども、最近になってやっと届けてくれたので聴けた。1stにしていきなり恐ろしく高い完成度を持つアルバムを作り…
池永正二のソロユニット、2ndアルバム。と言っても(例によって)1stは未聴。たまたま試聴機にあったものを聴いてみたら大層自分の好みな感じで、なおかつ普段あまり聴かない種類の音楽だったのでそのまま買ってしまった。 全編インストで、テクノやエレクトロ…
ここ最近聴いたインストものの旧譜三枚の感想を、簡単に書いてみたい。前よりもこういう歌のないアルバムがスムーズに耳に入るようになって来た気がする。 Gordian Knot/Emergence (ASIN:B00007DXQK) 元Cynicのベーシスト、ショーン・マローンのプロジェク…
ポーランドのブラックメタルバンド、7枚目のアルバム。初めて聴いたんだけれども(なんだか最近そういうのが多い)、これがとんでもなくブルータルで格好良かった。 獣の唸り声のように野蛮で、けれども威厳が備わった低音を轟かせるヴォーカル、呆れるほどの…
日本のジャズロックバンドの2nd。Dr、Ba、Key、Saxと言う編成だが、多くの曲でギターが参加してロック的な雰囲気を作り出している。 前々から名前は聞いていたけれども音を聴く機会は今までなかったので、本作で初めてこのバンドの音を聴いた事になるが、ク…
このバンドは一曲目がいつも非常に強力なんだけれども、本作は#1「Stabbing The Drama」がやや地味、続く#2「One With The Flies」も今一つと言う事もあって、最初に聴いた時は何となく流しているうちに終わってしまって、インパクトの薄さにかなり疑問…
「Predator's Portrait」以降のSoilworkのスタイルを踏襲するメロディックデスメタルバンドの1st。一聴してすぐ解るほどにSoilworkの影響を受けており、少なくとも本作を聴く限りは彼らのフォロワーと言う印象だが、その一方で模倣し切れないところから独自…
こちらも2曲入りマキシシングル。「冬盤」、と銘打たれている。実は表題曲よりも#2「黒服の人」の方により惹かれたんだけれども、曲順に感想を。 #1「銀河」は、高速ディスコビートのストレートな疾走感と一ひねり効いた展開を併せ持つ曲。澄んだ空気を…