文章の背景、と言うか書かれている事柄の背後の風景や空気が見える文章と、そうでない文章がある。情景をこれと言って書き込まず、ごく少ない単語でつくられたシンプルなものなのに、何故かその後ろにある街の風景が何となく想像出来る文章があり、書かれて…

卒 業 左 もうあと少しで春になるのだ、と五感の全てで実感出来るような、三月の好日。そんな日に、駅前のロータリーでこんな言葉が一面に書かれた広告用のぼり旗を見かけたら、誰でも一瞬立ち止まってしまうのではないかと思う。そののぼり旗は、気持ちの良…

祖母は近所の公民館でやっているコーラスサークルに通っている。コーラスサークル、と言っても平均年齢は70歳以上のようだし、真剣にコンクールや発表会を目指すようなものではなく、皆で仲良く歌いましょう的な雰囲気のところらしい。そして、その公民館で…

父が、ある日突然家族に黙って白と黒の小さな馬を買って来た(いきなり訳の解らない言動や行動に走りがちで、しかも自分がおかしい事をあまり自覚していない父のやりそうな事ではある)。 俺を含めた家族は、皆で「どうしてこんなものを急に、断りもなしに買っ…

テレビをぼんやり流しながら昼食を摂っていたら、デイブ・スペクターが、 「……まあ、銀行も高利貸しないとやっていけないから今やってますけど……」 と言うようなことを言っているのが聞こえた。随分と直截な言い方だが、まあ実際その通りなんだろなあと思い…

帰り道。ふらふらと普段あまり通らない辺りを散歩がてらに歩いていたら、こんな看板を見かけた。 「焼き鳥居酒屋 太 め」 何と言うか、明確過ぎてどうかと思うよなコンセプトの店だと思う。石塚英彦のような店主。石塚英彦のような店員。石塚英彦のような看…

駅構内の男子トイレ入り口に、青のビニールテープで貼られて文字と言うか注意を促す文句が書かれているのを見つけた。 「π 注 意」 実際には横書きでなく縦書きで貼られていたんだけれども、いずれにせよ何の事だかさっぱり解らない。πとは多分3.1415……のあ…

これと言って理由も無く日記タイトルを変えてみた日曜の朝(13日が終わるまで、この見出しタイトル通りの日記名にしていた)。たぶん今日一日で戻します。特に意味は無いが、初歩的な誤訳と読み間違いによって出来たこの二つの単語はどっちもあまり良くない意…

そこそこの値段でなかなか美味しい肉が食える鉄板焼き屋に、昼の定食を食べに行った時の話。 店に入ってカウンターの右端の席に座ると、すぐに店員が注文を取りにやって来た。塩焼きホルモン定食を頼み、出されたお冷を取って一口飲む……と、カウンターの上に…

http://www.flickr.com/photos/32864121@N00/sets/98472/ マイソウルブラザーから教えて貰ったサイト。まあ、タイトルが全てを物語ってます。惣流・アスカ・ラングレーの中の人の上位互換バージョンっぽくて在りし日の妄想が自動的に呼び戻されるwho14とか、…

放射熱を抑えるため、階段状に作られたビル壁面を丸ごと緑化したステップガーデンで有名な某巨大多目的ホール(その地下深くに、世界征服を主眼とする理想推進機関の秘密基地がある事でもよく知られる)の入り口付近に、種々の自動販売機とオープンテラスを配…

しばらく前、Yahooのあちこちにこのサイトの宣伝が貼られていた事があった。 http://futari.yahoo.co.jp/ 以下、上のページトップに置かれているFlashに出て来るフレーズを引用する。 宮藤官九郎がフタリに！？ ある日、運命が分岐してしまった男が辿る 正反…

昼休み。大名の割と奥、具体的に言うとボーダーラインとグルーヴィンの中間辺りのところにある「一幸舎」と言うラーメン屋にふらっと入ってみた。普通のラーメンと、ランチタイムは五個150円と言う餃子を頼む。 五分強で出てきたラーメンは、麺はなかなか良…

専門学校で知り合った人と飲んでいた時に、職歴についての面白い話を聞いた。 その人は、一度東京で公務員として働いていたのに退職して実家の福岡に戻って来て、そしてもう一度公務員になるために勉強をしているのだ、と言う。何故前の職場を辞めたのか聞け…

弟から聞いた話。 彼は、国道一号線を自転車で走っていた時、車道脇に花束が置かれていたのを見つけた。そのまま道なりに走って近寄ってみると、花束の更に脇には以下のものが添えられていた、と言う。 ・赤マルボロ ・鉢巻 ・「お前の走りは忘れない」と書…

夕方。お茶を買いにコンビニに行った。レジを済ませてさて出ようかとコンビニの出口に向かった時、ふと視界の端にスポーツ新聞の見出しが入ってきた。 「中田英、即身仏テスト」 即身仏と言うのは、まあ簡単に言うと日本式のミイラである。エジプトのミイラ…

３時前に、遅い昼食を摂ろうと久し振りにモスバーガーに入った。モスに行くと、俺は大抵スパイシーモスバーガーと後一つ何かバーガーをそれぞれ単品で頼む。今日も、まずスパイシーモスバーガーを頼んで、さてもう一つは何にしようかと思いながらメニューを…

車で２０分ほどの距離にある温泉に行った。温泉と言うかもう殆ど田舎の町営公共浴場みたいなところだったが、そこがものすごく良かった。母がコーラ風呂だと友達から聞いていたらしいんだけれども、全くその通りで温泉が黒い。炭酸泉ではないので、コーラと…

父方の祖父母の家に年始の挨拶に行った際、祖母から聞いた話。 去年の秋頃、祖母の同級生の奈美さんが亡くなったんだそうな。彼女は一人暮らしで、初七日が終った後は(めいめい自分たちの家に帰っていった子どもたちによって)お骨を宅ではなくお寺のほうに置…

実は昨日年末の挨拶をして締めにしようかと思っていたんだけれども、その挨拶を書き忘れてしまったのでもう一つ。 友人と話していたら、 「唐揚げ工場で働いている知り合いが……」 みたいな事を相手が話し始めた。唐揚げ工場、と言っても今ひとつピンと来ない…

何気なく通りがかった道の脇に建っていた病院の看板に、こう書かれてあった。 「類友会 渡辺病院」 果てしなくイヤな名前だと思う。医療法人の名前の付け方としていくらなんでも類友会はないだろう。なんだかずるずると芋づる式に患者が来てくれると良いなあ…

高級住宅地、とされる海に程近い区画を歩いた。歩道は広く、近くには図書館や博物館や人工ビーチがあり、見るからに高級そうなマンションがそこら中に建っている。何と言うか、この区域自体は綺麗だし割と歩いていて気分が良いんだけれども、どうも根本的な…

友人に聴いたどうでも良い、だが衝撃の事実。 「キティちゃんはチャーミーと言う名前の猫を飼っている」 キティは二足歩行、チャーミーは四足歩行と言う違いはあるとは言え、基本的にキティとチャーミーは同じ猫。それなのに、キティはチャーミーを飼ってい…

エレベータに乗っていた時の話。 何となくエレベータの天井を眺めながら、何を今更往生際の悪いええい天井の染みでも数えていればすぐ終わるわ、などと悪代官検定試験四級レベルの台詞をぼんやり思い浮かべていたら、３Ｆでエレベータが止まって親子連れが入…

今日は昼飯が少し遅く、その上少々食い過ぎたので晩は軽くお茶漬けを食べる事にした。永谷園のあれをご飯にかけて、お湯を注ぎ、さらさらと頂く。お茶漬けなんて食べたのは結構久し振りなんだけれどもこうやって食うとやっぱり美味いなあ、などと思いながら…

タワーレコードでの話。 買おうと思っていたCDが見つからなかったので、店員さんに尋ねてみることにした。 「すみません、ポチャカイテ・マルコってバンドのアルバムなんですけど、置いてますか？」 「あの、もう一度バンド名を言って頂けますか？」 「ポチ…

帰る途中、電車の中でものすごく見ていてもどかしい気分になる人を見た。 電車の中はかなり混んでいて、満員に近い状態だった。俺は乗車口近くの手すりにつかまって立っていたんだけれども、俺の真正面と言うか30センチも離れていないところに、中学か高校か…

全然知らないところからトラックバックがうちに送られて来ているので、送信先の日記を読んでみると、俺を指して「この人、生き別れたわたしのお兄ちゃんだ！」と書いてある。俺には確かに生き別れた妹がいるので、世間ってのは狭いもんだなあと思いながら素…

実は、昨日の冒頭のネタには相当自信があった。だが反応が無かった。普段なら反応が無い事自体は別に気にしないが、何となく今日はその事で自分の従来の芸風に対して疑問を持ったのだった。こう言ったものは一切説明を入れずにネタをそのまま出すのが効果的…

大学に受かって実家の大分を離れて以来だから、もう六年ほど抜いていない(ここで不適切な連想をした方は、最後の段落まで一気に読み飛ばして貰って構わない)計算だが、小学六年から高校を卒業するまで俺は近所の小さな道場で居合道を習っていた。 鞘の内で刀…