心的外傷

父が、ある日突然家族に黙って白と黒の小さな馬を買って来た(いきなり訳の解らない言動や行動に走りがちで、しかも自分がおかしい事をあまり自覚していない父のやりそうな事ではある)。
俺を含めた家族は、皆で「どうしてこんなものを急に、断りもなしに買って来るのか」と詰め寄るんだけれども、二頭の馬はえらく瞳がつぶらで毛並みが良くて可愛いので何となく非難の矛先も鈍り、しばらくすると皆して激しく癒されながら馬と遊ぶようになってしまう。
そこでいきなり場面が切り替わる。
山寺の奥、山の斜面に掘られた防空壕から出てきた虎に追いかけられて、参道の階段を転がるように駆け下りて必死に逃げる。誰か俺と一緒に逃げる人がいて、その人が虎に食われないかどうか時々振り返りながら逃げる。虎は拳銃で撃たれる。
そんな二部構成の夢を見た。
つまり、一晩でトラとウマが出て来る夢を見た。
……。
俺の無意識は、俺同様にユーモアのセンスが欠落している事が解った。