セルアウトについての結構切実な悩み

俺はこれでも出来るだけ多くの人に自分の文章を読んでもらいたいと自覚的に考えており、なるべくそういう文章を目指して書いてはいるものの、しかしその成果ははっきり言って挙がっていない。そこで、対策を考えるために多くの人に読まれるブログが持っていそうな特徴を適当に列挙してみる。これらに自分が当てはまるかどうか、あるいはそういう方向性をもって文章が書けるかどうか、を検証してみようと思う。


1.書き手が芸能人である。
2.書き手が特殊な、あるいは専門的な職業についており、普通聞けない内幕の話が書いてある。
3.書き手が女子高生である。
4.流行に聡い(A)。モテ/非モテ、オタク/サブカル論争とか、ネットリテラシーとか、ネットで流行の話題についてにの言及が頻繁である。
5.流行に聡い(B)。テレビ・映画・アニメ・ゲーム・芸能・文芸・演劇・音楽など、エンタテイメントに関する話題について的確かつ素早いコメントが書かれてある。
6.外向きである(A)。他のブログに対して積極的にコメントを付けたりトラックバックを送ったりする。
7.外向きである(B)。テキストがそれ自体では完結しておらず、他人のコメントやトラックバックを誘いやすい。また、読み手に語りかけるタイプの文章が多い。
8.書き手の顔が見えやすい。この人はどんな人なのか、と言うのが話題や文章によく現れている。
9.攻撃的・露悪的である。他者に対して議論を挑んだり、あるいは(生産的・非生産的を問わず)何かに対して批判を加えることで文章のインパクトを増し耳目を集める、と言うスタイルを取っている。
10.単純に書いてあることが面白い。


現段階で、これらのほぼ全てに自分と自分の文章は該当しない。なんだか書いてて切なくなってきたが事実なので仕方ない。では、こういう方向性を目指せるかどうかを一つずつ考えてみる。
まず、1番は不可能。2番にしても、これから官僚や精神科医公認会計士や新小結にはなれないので無理に等しいし、3番も少々現実的でない。
4番については、強い興味と明確な問題意識と必然性をもって自分が語れるテーマと言うのが少ない(この手の話題は黙っていればそれで済むものが多い、と言う事もある)のでこっち方面のパラメータを伸ばす気があまり起きない。では5番はと言うと、音楽についてはちょくちょくと書いているものの、基本的にたくさんの人が興味を持つ方面と自分の趣味がちょっと離れているため「多くの人に読まれる」と言うのは難しいと思う。
6番7番だが、これをしたから読んでくれる人が増えると言うのは本末転倒だろう。結果としてコメントやトラックバックのやり取りが多くなるのであり、それを多くしているからたくさんの人が読むと言うわけではない。8番は、これはどうかなあ……自分では、どうしようもなく人となりが露わになってしまっている文章を書いていると思うが、人に「お前の書いていることは解りにくい」と言われる事もたまにあるので、どこまで自分が出ているかは正直言って疑わしい。また、「顔の見える文章」と言うのは意識して書けるものでもない。そして、9番は自分の流儀に反するので許容できない。
従って、10番に活路を見出すしかないと言う事になる。なんだ結局いつもの結論か。改めてこんな風にだらだらと箇条書きにしたり検証したりする必要はなかった。
面白い人になるというのは難しい。とても難しいと思う。これが、2年ほど日記を書いていて学んだ唯一の事だと言ってもいい。面白い人になる方法と言うのを知っている人がいたら是非教えて欲しい。教えてくれたら日本酒の一升瓶を進呈しても良いとさえ思う。