モノの死を視ない眼

極端で無根拠な印象論だけれども、そのまま感じた事を書いてみる。
イラクで人質になってた三人が帰国して空港歩いてる映像を見たんだけど、三人のうち一番若い今井氏の眼と口……正確に言うと少し吊り上った眼と口の端が、見ていてどうも落ち着かないと言うか、平たく言って非常に厭な感じだった。
死ぬ目に遭った実感が無いか、自分には死のルールが適用されないと思っているか、そもそも死ぬってのがどう言う事なのか知らないんじゃないか、と思わせる眼元と口元、見ていて不穏な気分を掻き立てられるような、比較的整ってはいるもののどこかアンバランスな顔立ち。死ぬのが恐ろしいって事が実感出来てなさそうなこういう顔をしている内は、戦場に行ったら駄目だし行かせたら駄目だろう。人道支援の是非以前の問題だと思う。
彼の顔、どこかで見た事があるような気がしていたので記憶を探ってみたら、(彼を侮辱するつもりは決して無いが)一審で死刑判決を受けて提訴中のあるテロリストに似ていた。そのテロリストは、自分の死も他人の死も未だ知らない、と言うような顔をしていた。
まあ、何にせよ、無事に帰ってきて良かった。ああいう眼をしたまま死ぬのは、苦しみと恐怖にのた打ち回りながら死ぬよりも余程不幸な事だと思うので。
上に書いたような印象論が全くの的外れで、全然彼に当てはまってないといいなあ。心底そう思う。