美狂乱/美狂乱 (ASIN:B00004U8TI)

魁!!クロマティ高校」のサントラを美狂乱が担当してるって話は聞いてたけれども、当のアニメも観ていなければサントラも聴いていない。ただ、前から美狂乱の1stは持っていて、今日の行き帰りに久しぶりに聴いた。
「太陽と戦慄」〜「レッド」期のクリムゾンの影響を受けまくっているのは素人耳にもはっきりと解るが、本家にはジョン・ウェットンの声とポップなメロディの魅力が邪悪ギターと同じくらい封入されていたのと違って、こっちはひたすら不穏で破壊的。一応歌もあるが、上手くも無いしメロディもそれほど良いわけではない。けれども、長いが良く練られて緊張感が終始持続する曲自体の造りや演奏は鬼気迫る出来だし、音圧に欠けるスカスカの音作りは逆に狂気を感じさせるもので、バンド名通りの美・狂・乱の対比はすごく格好良い。何と言うか、下手な筆跡で書かれた誤字だらけのサイコな犯行声明文を読んでいて薄ら寒さとマトモでは辿り着けない鋭さとを両方同時に感じるのと似てる。音圧で押さずに空気の圧迫感でにじり寄る人間味の薄い不気味さは、クリムゾンの影響を受けた音楽の中でもヴォイヴォドの「Dimension Hatross」「Nothingface」辺りが意外に近い気がする。
クロ高のサントラもこういう世界観がそのまま出てるって話だけれども、ちょっと想像が付かんな。今更かも知れないけど、ユーモアのユの字も無い(勿論誉め言葉)この音楽とクロ高の組み合わせを考え付いた人は凄いと思う。
美狂乱についてはここ辺りに詳しく、またクロ高のサントラは例によってきえふさんレビューを書かれているので、興味のある方は是非是非そちらもどうぞ。て言うかキーワード登録されてるのか。凄いな。