ザ・ヘリコバクターズ

コンビニでコーヒー用のフィルタを探していた時の事。何度かそのコンビニでフィルタを買った事があって場所を覚えていたので、前に置いてあった棚に真っ直ぐ行ったんだけれども、どうも売り場を動かされていたようで見当たらない。置かなくなったという事は無かろう、とコンビニの中をうろうろしながら探していた時、「ぴろり揚げ」と書かれた菓子袋が目の端に入った。
ぴろり揚げ。
ひらがなにすると微妙に可愛い字面(「ぺど揚げ」とかと同種の可愛らしさがある)だが、この「ぴろり」とは言うまでも無くヘリコバクターピロリの事なのだろう。
ヘリコバクターピロリを美味しい黄金色に揚げてみました。胃潰瘍間違いなしの斬新なスナック。形容矛盾の域にまで達しているあまりに突出した斬新さ。と言うかむしろ斬新さ以外に何も無い潔さ。誰も食べようとしないしそもそも買いもしない、と言うのが逆にセールスポイントになってデスクリムゾン並の大人気。度胸試しや成人の通過儀礼にも最適。めざましテレビで「第二の桜」と紹介されてブレイク。くすくすと歌ってゴーゴー。なんかそう言うキャッチコピーや煽り文句が脳髄から雲霞の如く湧き上がる。
……まあ、大方の予想通り実際は「からり揚げ」だった訳だが。
見間違ってから実際の字面を確認するまでおよそ一秒。上のような事を考える時だけ頭が回る理由は、自分でも良く解らない。