異邦の流儀

先輩の結婚式の二次会に呼ばれた。呼ばれる事自体は光栄だし嬉しいんだけれども、普段フォーマルな格好と言うものに全く縁が無いので困っている。そもそもロクにスーツも持っていないのでどこかから借りてくることになりそうだが、不慣れな服を着ようとすると服に着られてしまうのは目に見えている。折角のめでたい席だと言うのに、それはちょっと頂けない。
さて、どうしたもんか。
……。
一瞬だけ、全身黒タイツに身を包んだ自分の姿が、頭に浮かんだ。
ネクタイ付き。