Metallica

で、運転中にメタリカ「St.Anger」を聴いていた。やっぱり放出されるエネルギーの量が桁外れに凄い。ガソリン切れてもこれを流してたら車は問題なく走るんじゃないかと思うくらい凄い。永久機関並み。でも、この初期衝動にも近いエネルギーってのは話に聞くバンドの危機や自分たちへの苛立ちを根源にしているのだろうと思った時、ではバンドが順調に行っていたのならここまで強烈なものは出来なかったんじゃないだろうか、って事をちらりと思ったりもする。要するに少なからず自身を削って作ってるわけで、そういう意味合いで聴くと、どこかアルバムを覆う怒気が悲痛で悲壮なものにも思えて来る。まあ、この途方も無く巨大なアルバムの前ではそんなのは瑣末な事ではあるとはあるのだろうけれども、車の中で聴きながらそんな事を考えていた。それにしても、来日中止か。


ちなみに、アルバム中で一番好きな曲は突進力とやさぐれ感に溢れるリフとメロディが強烈に格好良い#8「Sweet Amber」なんだけど、この曲の歌詞がありえないくらい「月姫」の琥珀と四季にシンクロしている。歌詞をちょっと抜粋すると、
「自分の人生を生きるんだ そうすれば俺の人生を見ずに済む」
「自分が望むものを手に入れるために俺の望むものを利用するがいい」
「彼女が握っているペンは”終わり”を綴るペン」
「ああ 可愛いアンバー お前はなんて素敵なんだろう/見た目通り素敵なんて事は絶対にないのに」
詞中でブチ撒けられるAmber=琥珀へ対する愛憎入り混じった感情はもう四季そのまんまであり、検索してみてもこれを指摘してる人はどうも見当たらなかったので改めてこれは主張しておきたい。でも誰に主張したら良いのかは全然解らない。