UA

UAのベスト盤がかかっているのを良く耳にする。レンタル屋とかアーケード街とかデパートの中とか本屋、本当に色々なところで。
俺は「泥棒」のあの暖かいながらも容易には近寄れないような重い静謐の空気は大好きだったし、丁度同じ日に買ったピーター・ガブリエルの「Up」とも正面切って張り合えるくらい強固な世界観を持ったアルバムだと思っていたんだけど、このベスト盤に比べると「泥棒」はやっぱり取っ付きにくいし、確かにどこか華に欠ける(勿論、そこが好きなところではある)。あちこちでシングルをつるべ打ちっぽく聴かされると本当にポップで素敵なシングルを沢山持っているんだな、と改めて感じる。
「泥棒」及び「空の小屋」で見せたプログレッシヴな居佇まいもそれはそれで大ハマリではあるが、喧騒の隙間から漏れてくるシングル曲の数々を聴くとはなしに聴いていると、またポップで軽やかな歌を聴きたいとも思う。「情熱」とか、高校のまだ意識的に音楽を聴く事がほとんど無かった頃にテレビで流れてるのを聴いて、この曲良いなぁって思ってたんだよな。それくらい、解りやすかったしキャッチーだった。
あと、次のアルバムで、今彼女がNHK教育でやってる事がどういう風にフィードバックされるのかってのはとても興味深い。全然関係無い方向で来ても面白いと思う。
色々考えるより先にベスト盤を借りて来ないと。