文系の人間にはちょっとよく解らない話

フジツボと私とどっちが大事なの?」
と言う台詞を、知り合いは彼氏に向かって言った事があるそうな。
何でも、彼氏は院でフジツボの研究をしていたが、研究室に張り付きっぱなしで彼女を全然構わなかったのだと言う。理系の研究室では本当に学生や院生が缶詰にされたり、時には半ば研究室で生活したりすると言う事が当然のようにあるらしいが、そのような状態が続いて業を煮やした彼女はとうとう自棄気味に冒頭の台詞を口走ったのだ、と言う話。
切実だったのだとは思う。心の底から出た台詞だったのだろうと思う。仕事に掛かりきりの男と、男を待てなくなる女、と言うのは考えてみればどこにでもある構図でもある。
……。
フジツボと私とどっちが大事なの?」
美味しい、とか思ったのがバレなくて良かった。