ライヴ雑感走り書き

ここ一週間で2回ライヴイベントに行き、沢山のバンドを観たのでその感想を書くことにする。全部初めて観たバンドし、まあ数が数なのでさらっと一言ずつ。


まずは、先週17日のSONS OF DYNAMICA@DRUM-LOGOS。
Folk Enough
……ギター、キーボード兼ヴォーカル、ドラム、と言うやや変則的な編成の三人組。キーボードと言ってもほとんど鳴らしていたのはピアノ音だったと思う。かなりラウドなギターとドラム、その上に乗るピアノの軽やかなバッキング、反復で身体を揺らすリズム、そしてメロディはTM NetworkBoowyGlay、あるいはポルノなどを思わせる、正統な歌謡ロックの流れを継ぐ非常にキャッチーなもの。人力トランスみたいな曲が一曲あって、それは聴いていてGlobeを連想したし。こういう音を出すバンドって、いるようでいないんではないだろうか。個人的にはさほど好みではないけれども、面白いバンドだと思う。


Pealout(?)
……何だか中央にマイクスタンド置いているのにそこには誰も居なくて3人編成だったり、ギターの人が妙に照れながらヴォーカルも取っていたりして、伝え聞くPealoutの姿と違っていたような気が……出音自体は結構格好よかったんだけれども(特にドラムが)、曲が終わる毎に照れの入ったMCを入れるのが流れが悪過ぎで、今ひとつ良い印象を抱かなかったので詳しくは割愛。


POLYSICS
……赤いツナギに謎のアイシェイド。写真では何度か観ていたが、本当にこの格好でライヴやるんだな、と出てきた瞬間思った。ライヴはすごく楽しいって話の通り、やたら面白かったです。パンキッシュな縦ノリと言うかジャンプを誘うリズムを持つ楽曲は、この日出てきたバンドの中で一番自分の趣味と違っていたにも拘わらず、気が付いたら前に行ってジャンプしてしていたくらい楽しかった。あと、キーボードの人のツインテールと不自然でロボットっぽい動きに萌えました。狙ってる、ってのは解りきってるんだけど、負けた。可愛い。歪み切った他の楽器の音の上に歪みの無いピコピコキーボードのキャッチーなフレーズが重なる事によって曲が明快になっていて、見た目だけでなく音楽性の面でもキーボードが肝なんだろうな、と観ていて思った。


DMBQ
……この日の目当てはこれ。流石にと言うか当然にと言うか、他のバンドとは明らかに出ているオーラが違った。ステージに充満するふてぶてしさと言い、粘っこくてエロくてリフ主体でツェッペリン直系なハードロックスタイルと言い、ノイズ一歩手前と言うかほぼノイズなジャムと言い、年季入りまくったパフォーマンスでとにかく凄かった。ギターの人が弓使ってノイズ出してるのと、一音一音がヘヴィで切れ味鋭いドラムがめちゃめちゃ格好良かったな。他のバンドが割と等身大の音楽を表現しようとしている(ポリシクスはまたちょっと違うが)のに比べて、モロにロックスターて感じの立ち居振る舞いにやられっぱなしでした。
ライヴのクライマックス辺りから最前列で観ていたんだけれども、周りに押されて眼鏡を吹っ飛ばした。そのときに一番アドレナリンが出た。眼鏡が飛んだのが可笑しくて仕方なかったと言うか(眼鏡はあとでちゃんと見つかった)。DMBQの音があまりにデカくて、次の日目が覚めてもまだ耳鳴りがした。



で、23日のCLAPS!6〜晩夏−歌−響音の巻〜天神ジェネレイト04@ビブレホール
スロウカーヴ
……この日お目当てのバンドはトップバッターでした。割とCD通り、音源に忠実に演奏が進む感じだったが、やはり生で観ていると「各人が好き勝手に音を鳴らしている感じ」は音源よりもずっと強いな。まるでそれが当然のように少しずつズレるバンドサウンドの中でも、捻れまくったベースラインが実に良い感じ。もうちょっとバンドサウンド全体が太くなって、音程はクリアなままで可聴領域を隙間無く埋めていくような分厚い音、スケール感が出せるようになると(すいません解りにくい言い方で)もっと良いかも、とも思ったが、現時点でもかなり充実した音が出ていると思う。ますます気に入りました。


Schoolgirl '69
……リズム隊にギター兼ヴォーカル、キーボード兼女性バックヴォーカル、の4人組。ラジオでシングルを聴いたときは、打ち込みを取り入れたバンドサウンドに男女ヴォーカルのポップなメロディの組み合わせ、ちょっと前のスーパーカーくるりみたいな事がやりたいのかなと思っていたけれども実際に観たらバンドサウンドの方の比重がかなり強かった。トランシーなノイズ、人力ブレイクビーツなリズムは、ストレートと言うかオリジナリティはさほど感じられないものの純粋に気持ち良くて踊れる。ただ、ヴォーカルの媚すら感じさせるような甘過ぎる歌い回しはちょっと苦手だったかな。まあこれは完全に好みの問題だが。あの声と歌い方こそが魅力、と感じる向きも多いんだと思う。


メレンゲ
……バンプゴーイング、そしてスピッツ。その辺のバンド名がすぐに思い浮かぶような非常にシンプルでわかりやすいメロディ主体のギターロックで、メロディはあまり押し付けがましくない品の良さがありつつも、すごく耳残りが良くてポップ。あと、ベーシストが重ねる綺麗なコーラスと、この手のバンドとしてはかなりラウドだと思われるドラムが、メロディのドラマティックな流れを強調するのも大きな魅力だと思った。何と言うか、特筆すべき事は余り無いけれども、普通に良い。そういう感じ。何かちょっとしたきっかけがあれば広い層に受け入れられそうな、そんな雰囲気があった。


キャプテンストライダム
……最初に演奏した曲がGo!Go!7188みたいだったのでそういうバンドかと思っていたが、聴き進めてゆくと特にそういうわけでもないのが解った。何の種も仕掛けも無い音楽、パワーポップともロックンロールとも言いがたい、本当に単なるロックをめちゃめちゃ楽しそうに演奏する3人組。ユニークな歌詞、やたらキャッチーなメロディ、ユーモラスな動き、妙に気の抜けたMC、全てから演奏するのが楽しくて仕方ないって雰囲気が伝わってくるので観ているこっちも楽しくなってくる。あまりに衒いが無さ過ぎる音楽性なので、たぶん音源を聴いただけでは特に惹かれないんだろうけれども、ライヴ観ているとすごく楽しいと言うか、観て良かったという気にさせられるバンドだった。


Studio 44
……轟音シューゲイザーと話に聞く別のバンド(Condor44。数字が同じ)と名前を間違えていたので、最初演奏し始めたときはちょっとびっくりしてしまったが、事前に音を知っていたスロウカーヴを除けばこのバンドが一番気に入ったかも。和風でどこかノスタルジックなメロディとジェントルな声で綴られるソフトロック。立って聴くよりも、座ってじっくりと何か飲みながら聴きたいと思わせてくれるような感じで、はっぴいえんどとかサニーデイサービスとかの名前が(俺はこの2バンドの曲を聴いた事も無いのに)思い出される。あと、ヴォーカルの顔が小田和正にちょっと似ていたのでオフコースを連想したりもした。こういうのって好きだなあ……もっとゆったり聴きたくなったので、終わった後ついCD買ってしまった。


こんな感じ。どっちのイベントもすごく楽しかったです。それから、23日に相手してくれた方々、本当にありがとう。その時の感想は、またいずれ。