スパルタローカルズ@7/14、福岡ビブレホール

このバンドを観るのは3年弱振りくらい、2度目。前観た時はワンマンではなかった(Music City Tenjinのイベント)と言う事もあって、他のバンドに紛れてあまり強い印象が残っていなかったし、アルバムも「悲しい耳鳴り」しか聴いていない状態ではあったが、ここのところのライヴの評判がえらく良いと言うので誘って貰って観に行った。あまり曲を知らない状態でワンマンライヴに出向くのはほぼ初めての経験だったのと、久しぶりに誰かと連れ立ってライヴに行くのとで、開演を待つ間は結構緊張していた気がする。
前に観た時は、あまりミュージシャンっぽいオーラが出ていない本当に普通の気のいい兄ちゃんみたいな人達だなあ、という印象を受けたが、昨日も最初の方は同じような感想だった。客電が落ちて登場してきたメンバーはみんな本当に普通っぽくて、あんまり前と変わらんのかもな、と思っていたが、実際に演奏が始まって数曲過ぎると段々と尋常でない部分が出てきた。ヴォーカルの時々白目を剥いて絶叫する立ち姿のヤバさ(いきなり白目になるんで怖い)とか、ベースのゴリゴリした音の迫力とか、非常に印象的なギターリフがあちこちに散りばめられた一筋縄では行かない曲構成とか、そういうのがえらく格好良くて、神経にズバズバと音が刺し込まれてゆく感じ。よくよく聴いてみると結構複雑な事をやっているが、出音のインパクトと言うか説得力がすごく強くて解り易い、と言うのが良かった。ただ、ドラムは他のパートと比べるとちょっと弱かった気がするな。
メロディよりもリフと踊れるリズムで勝負するバンドなのかも、と聴きながら考えていた。十分にポップで耳残りの良いメロディを歌っているんだけども、それよりも鋭くメロディアスなギターフレーズと身体を揺らすリズムが噛み合って生まれる非常に肉体的な格好良さ、気持ち良さが強く印象に残っている。また、バンドサウンドは鋭く肉厚ではあるがマッチョではなく、どことなく線の細さを感じさせる、と言うバンド全体の雰囲気や立ち居振る舞いは最近の流行と言うか(決して悪い意味ではなく)ロッキンオンが提唱する「ロック」のド真ん中を突いているような感じだったと思う。実力の面でもキャラクターの面でも人気が出て当然、と言うか。
俺が曲をあまり知らず、また会場の空調がおかしくて異様に暑かったせいもあるとは思うが、中盤でちょっと緩やかな曲が続いた時に中弛みしているように感じられたのは残念だった。前半や終盤は張り詰めた空気や異様に高いテンションの凄みがこちらにもイヤというほど伝わってきたが、そのテンションは中盤で途切れていたように思えた。アンコール合わせて、演奏したのは多分全部で15、6曲。正味一時間半強くらい演っていたが、もうちょっと曲数を絞ったほうがもっと凄みが出たんじゃなかろうか。まあ、もっともこれは俺がメロディよりもリフとリズムに焦点を合わせた聴き方していたからそう感じたのかも知れないとも思うが。
何だか書いているうちにあまり印象が良くないライヴの感想みたいになってきている気がするが、実際のところトータルではとても満足出来たライヴだった。今、すごく勢いがあるんだなというのは良く伝わってきて、そのポジティヴなエネルギーみたいなのが気持ち良かったし。28日に新譜も出るらしいが、まずは去年のアルバム辺りから聴いて行きたい。
それから、一緒に観たへもさんaiさんとも話していた事なんだけれども、観客の男女比が結構均衡しているのは意外ではあった。女性受けしそうなナイーヴさやストレートな格好よさがあまりなく、どっちかと言うと全体的に男に好かれそうな音だったので。


終わった後は、へもさんaiさん+合流したもりながさんと飲み。初対面の方々だったので、わたわたと挙動不審なところを見せてしまったり勢いでロクでもない話をしたりしてしまったが、楽しかったです。