Scobie Do@6/9、福岡DRUM B-1

スクービードゥ初体験。本来なら行けないはずのライヴだったが、気が付くとしっかり時間を調整して当日券を買っている俺がいました。おかしいな……まあ、その辺は深く考えない事にしたい。
もうスーツでビシッと決めた4人が袖から出て来る姿からして格好良くて、当たり前だが演奏始めてからはもっと格好良かった。ワイルドに、時には甘く歌い、そして踊りながら観客を煽りまくるコヤマシュウのベタで胡散臭いロックスターのような立ち姿・所作、今思い返しながら書こうとするとちょっと気恥ずかしいくらいキザなMC(「旅を続ける俺たちのソウルとお前達のソウルのために一曲歌わせてくれ」とか、「今夜俺とお前の関係は男と女の間柄じゃねえといけねえんだエブリバデー」とか)の一つ一つがとにかくハマってて、粋で色気があった。残りの3人はさすがにそれほど派手な動きはしていなかったが、ファンキーな演奏は思っていた以上にガツガツ食い付いてくるようなところもあってひたすら気持ちいい。このバンドの曲って基本的に凄くポップで、アルバムを聴いているとバンドサウンドはメロディを目一杯活かすために一歩引いているような印象があるが、ライヴは全然別だった。とことんグルーヴィーなバンドサウンドで踊らせて、コヤマシュウのパフォーマンスで際限なくヒートアップさせる、と言う感じ。実際、だんだんメロディを追いながら聴く事はわりとどうでも良くなってきて、ただただバンドサウンドが叩き出すグルーヴに身体を動かしていたような気がする。
ほとんどノンストップで矢継ぎ早に曲が繰り出されてゆく。曲間に挟まれるMCの間も演奏が続いていて、そこから拳を振りかざしてコール&レスポンス、更に曲へと繋ぎ目無しに雪崩れ込む。とにかく、全ての言葉や動作やステージ運びが音楽に直結していて、ライヴと言うよりショウって言葉がしっくり来る感じだった。何度かステージが暗転してメンバーが一休みする事があったが、その時以外は演っている音楽だけでなく一挙手一投足の全てがショウの一部と言う意識があるのだと思う。良い意味で何もかもが魅せるために計算し尽くされたステージで、それでいて予定調和っぽい空気で醒めるところが一切無い。元々の芸風と言うのもあるとは思うが、ひたすらエンタテインメントに徹する姿勢からはプロ意識の高さを感じた。
いや、冷静に観ていたように書いているが、実際はずっと踊っててほとんど頭が飛んでました。だから曲順とか何を演ったかとかほとんど覚えていない。レゲエっぽいアレンジになっていた「時にはマイルスみたいに」が良かったなあとか、「Funky New Day」で「俺とお前の関係はさながら行間で成り立つ小説のよう 俺とお前の狭間に流れるグルーヴを手に入れようぜ」と歌っている時と、バックが演奏しながらMCやってる時ってほとんどやってる事同じだなあとか(それくらい曲と喋りに繋ぎ目が無くて、喋り自体にもグルーヴがあった。正直、曲以上にMCが印象に残っている)、考えていたのはせいぜいそれくらい。普段はどちらかと言えばシリアスな音楽を演奏するバンドのライヴに行く事の方が多いが、こんな風に頭を空っぽにしてただひたすらに楽しくて踊れるってのはやっぱり良いな。何も考えずに楽しめるライヴ、と言ってもそれを実現するためにはシリアスなバンドと同じかそれ以上の真剣勝負が必要な訳で、そう言うプロ根性が仕草の端々にまで感じられたのも良かった。楽しいって意味合いでは、今まで観て来たライヴの中でダントツに楽しかったと思う。


終わった後、とてもハイな気分だったんだけど喋る相手もいなかったので、「菱」(親不孝通りのちょっと奥にある居酒屋。ここより良いところを俺は知らないし探してもそうそう見付からないと思う)で独りで飲んでました。で、帰って来たらバッタリ倒れて気が付いたら朝の5時。駄目人間。
しかし、確かに独りでライヴ行くと寂しいな。開場から開演までぼけっとするにも限度があるし。今度誰か一緒に行ってください。