水準点以下

たまに行く中古屋に、CDを売りに行った。数ヶ月ぶりくらいに行ったそこは、何だか以前よりもヘヴィメタルを置いてあるスペースが店の隅に追いやられていて、数も少なくなっていた。代わりにジャズのコーナーが広くなっていたり、洋楽ロック/ポップスの棚にディスプレイされているアルバムも前に来た時よりも何となくおしゃれ系や通好みのグッドミュージックみたいな感じのが多くなっていた。CDを買い取りカウンターに預けて、査定の間店を眺めていたら、何となくこの店に長時間いると疲れそうだと思ってしまった。全体的な雰囲気が自分に合わない気がする。と言うか、良いリスナーである事を暗に求められているような感じ。俺は全然良いリスナーではないのでとても場違いなところに居るような気分になってしまった。査定の結果、メタルでないアルバムはそこそこ良い値になったが、メタルのアルバムはあまり高く買い取ってもらえなかった。
それから、まんだらけに行った。ここには滅多に足を踏み入れないが、今日は中古のソフト(月箱)を売る必要があったので、先ほどの中古CD屋から15分ほどかけて歩いて行く。買い取りカウンターに売り物を置いて、査定されている間に周りを見回した。こっちはこっちで何だか独特の一見さんお断りみたいな雰囲気、馴染みが無いと結構キツい空気が漂っている。前はこういうヲタっぽい空気って特に気にならなかったんだけど、最近はこういう場所では一定以上の素養や知識が要求されているように思えてきた。やはり俺がここに居るのは場違いであるような気がする。査定の結果、CDにキズがちょっと入っていたと言う事で期待したほどの売値にはならなかった。
はしごした二つの店のどちらも、扱っているものの傾向は自分が好きな感じのはずなのに、店内に居る間中どことなく落ち着かなかった。ひどく疲れた。