トルネード竜巻/ブレイド (シングル)

素直で優しげなメロディとクリアで癖の無い歌声は童謡を思わせる非常に聴きやすいものなのに、バックの演奏がおかしい。イントロからサビに入る直前までは大人しく抑制気味なのに、サビになると同時に幻想的なギターノイズとキーボード・ズレたリズムが殺到してこっちを眩惑する。曲調はゆったりしているが音数はやたら多く、楽器隊は暴れ回る。その暴力的なギャップ、起伏の激しさが美しくてスリリングで格好良い。とても理知的な演奏と曲作りだが、自然体のヴォーカルが才気走ったところを中和しているのが好印象だし、メロディだけ抜き出してみても魅力的だし、いい曲だと思う。やっぱりこういうどこかちょっと変なのは好み。聴いていてしっくり来る感じがする。
カップリングは2曲。#2「サイクリング」は表題曲のようなインパクトはないもののどことなくユーモラスで穏やかな雰囲気が心地良い曲。#3「One Note robot(The Shitappers Are Alright)」はミニアルバム「One Night Robot Kicks The Rock」収録曲のリアレンジで、元曲よりリズムが強調されているのにヴォーカルの歌い方は何故か平板、と言う変なファンク。楽しい。