前置きアリス

さて、坂本真綾の新譜「少年アリス」を買って来たので今の時点での雑感を書き流してみる。今回は、全体的にロックっぽいと言うか力強い感じ。もはや萌えとか軽々しく口に出せない神々しさすら感じる歌声と、繊細かつ挑戦的でプログレッシヴなアレンジが完全に噛み合っている。至福。
とは言え、気になる点が全く無いと言う訳でもなく、アレンジが装飾過多だと感じる場面が幾つかあったのが少し引っ掛かった。収録曲は、音数を抑えてシンプルに絞り込まれた曲と、分厚い音響で空間の奥行きと高揚感を表現する曲と、その中間で「Lucy」に近いニュアンスを持つポップス、と大きく分けて３つのタイプに分かれると思うが、２つ目のタイプの曲が目立ち過ぎているように思う。いや、一曲一曲を抜き出してみるとそのアレンジに疑問など浮かばないし断じてワンパターンって事は無いのだけれども、アルバムを通して聴くと、重厚で隙間の無い音が連続してやって来るような印象があって、聴いていてちょっと疲れる。幾つかの曲がもう少し風通しの良いアレンジなら、と２周ほど通して聴いた今の時点では思う。
まあ、そんなのはそれこそ重箱の隅をつつくようなもんで、全体としては傑作としか言いようが無いアルバムなのは間違いない。特に、１〜３曲目までの流れは完璧過ぎ。もう少し聴き込んで、明日にでもDislike Musicにちゃんとした感想を書こうと思う。
ちなみに、もう一つの気になった点は、＃２「ソラヲミロ」の歌い出しがバービーボーイズの「ノーマジーン」の歌い出しと同じなので、「空を見ろ　ノーマジーン」と歌いたくなって仕方が無いところ。