究極の口説き文句対至高の口説き文句・デスクトップの空論編

http://d.hatena.ne.jp/sarasa-mimi/20040907
http://d.hatena.ne.jp/pandamarch/20040906
http://d.hatena.ne.jp/hmmr03/20040905
より。何とも御無体なお題を預かっているので、それについて少し考えてみたい。

①同じ年頃の同じような環境(同じ職場、とか同じ研究室、とか)にいる女の人(でもまだあまり親しくはない)を初めて二人だけの飲酒に誘って「一緒に話しているだけでこんなに楽しいんだから、セックス出来たらどれだけ楽しいんだろう。わくわく」と思って口説く場合。

②何度か二人で会ったりしていて付き合っているような、まだそうとは言い切れないような関係の女の人(要するに「彼女は自分のことを好きなんだろうか?」と今一つはっきりとした自信が持てない感じね)を「これで断わられたら『あなたとは付き合ってるつもりじゃないわ』と言われたのと一緒だ」と結構覚悟を決めて口説く場合。

③半年くらい片思いした挙句、やっと付き合えるようになった恋人(だからまだ相手の女の人を神聖視しているというか、無駄に美しい幻想が付き纏っている)に「セックスしたいなんて言ったら彼女に嫌われたり泣かれたりしてしまうかもしれないなぁ。でもしたいよぅ」と煩悶しながら口説く場合。(この場合は設定年齢を10代に限らせて戴こう。20代以降でこんな煩悶されても困る)

④(番外編)あまりお金の無いコンビニアルバイトの青年が、コンビニのお客さんとして知り合った女の人を屋台のラーメン屋(当然隣には酔っ払った訳のわからないおじさんとかが居る)で口説く場合。

以上のケースについて有効な口説き文句を考えよ、との事。言うまでもなく俺本来の守備範囲とは日本とアルゼンチンくらい離れている話題ではある。さて、どうしたもんか。
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ケース毎に分けて考える、と言う事が不調法者の極みであるところの俺には出来ませんでした。従ってどのケースにも、また短期的なナンパにも長期的なお付き合いの申し込みにも当てはまりそうなものを一つ。
「頬を、触っても良い?」
これは状況や言う人間によって言われた相手の受け止め方がかなり異なって来るので、少なくとも汎用性はある。はず。で、ケース1〜3のどの場合でも、頬を触る、と言う行為は誘っている意図を鮮明にしつつも直截過ぎはしないと言うバランスの行動になので、それをしても良いかどうか聞くこのワンフレーズが口説き文句として適切なんではないかと思った次第。
頬は、最初と最後に触れる場所。それなら、こう言って拒絶されれば他に何を言ってももう駄目だろうし、これが通ればスムーズに行く(そのまま硬直して見詰め合っていても良いし、頬から唇や顎や首筋や肩口に掌と指を降ろして行っても良い)だろうと思う。
随分とシンプルな回答になってしまったが、こんなもんでどうでしょうか。他に、何か良いものを考え付いた人が居たら、是非教えて欲しい。
それにしても、何だって俺はこんな事を考えているんだろう……。


The Crown/Crowned Unholy  (ASIN:B0002NRR74)

解散してしまったデスラッシュメタルバンド、The Crownの最後の置き土産。5THアルバム「Corwned In Terror」のリメイクアルバム。「Corwned In Terror」はヴォーカルをトーマス・リンドベルグが担当していたが、この本作では5th以外の全てのアルバムでヴォーカルを担当していたヨハン・リンドストランドが再びヴォーカルを取っているのがまずは最も大きな違い。聴き比べてみると、トーマスの方は鋭く切れ味と歯切れが良い咆哮なのに対して、ヨハンは力任せに鈍器を叩き付けるような慟哭と言った感じ。どちらがより優れていると言うわけでは勿論ないが、やはりヨハンの方がしっくり来る感じはする。それから、サウンドプロダクションが見直されているようで、より低音が強調されたように感じる。ベースの音がグリグリとリメイク前以上にドスを利かせて迫り、タイトで乾いた鳴りだったドラムはもっと荒っぽく、土砂崩れが轟然と押し寄せてくるような感じになった。以前自分で書いた「Crowned In Terror」の感想を読み返すと「乾いた音作りもこのアルバムの音楽とよく合っていると思う」と書いてあったが、心持ウェットな質感の音になっているように感じられる本作もこれはこれですごく良い。
リメイクなので当然曲は一緒。ただ、#3「Under The Whip」や#6「Speed Of Darkness」でちょっとだけメロディを歌っていたり、そこかしこで静かなパートやギターのクリーントーンを活かしてアクセントにしたところがあったり、リメイク前よりも曲を劇的に見せる工夫がなされているような感じ。で、そのほんのちょっとしたアクセントがまた格好良く、元々収録曲は粒揃いだったのがますます良くなっている。正規のヴォーカリスト(と言う言い方も変だが、トーマスは元々一作しか参加していないので)で録音し直したと言うだけでなく、リメイクする意義がしっかりと感じられる一枚。名作「Crowned In Terror」が更に強靭に鍛え上げられている。
なお、ボーナスとしてライヴDVDが付いている。すごく狭いクラブのようなところでのライヴで、映像作品としてはただ単に録っただけみたいなしょぼい作りだが、本人達はやっぱり格好良いです。
それにしても、これほどのバンドの解散の理由が「バンドの維持に疲れた」とは……。切ない。そしてあまりに残念だと思う。