苺と俺

やたらと老けた顔の男子高校生が、電車の中でイチゴオレを飲んでいた。三十代っぽい顔立ちとイチゴオレ、と言う組み合わせはかなりミスマッチで見ていて妙に可笑しかったが、彼の表情自体はイチゴオレに心底満足しているような顔だった。きっと本当に好きなのだと思う。
彼があまりにも美味そうに飲んでいたせいか、気が付くと、電車から降りたら直後にイチゴオレを買っていた。紙パックにストローを突き刺し、頬をすぼめて吸う。久しぶりに飲んだけど、美味しい。疲れが少し取れそうな味。一気に飲み終わって、満足した気持ちになった。
多分、その高校生以上に俺とイチゴオレの組み合わせは傍から見ておかしい。人の事をどうこう言える立場ではない。


いしのなかにいる

id:lostguitarさんがこの前やっていたラジオがとても面白かったので(途中で寝落ちしてしまったけど)ちょっと自分でもやってみたくなった。以前ボイスチャット用に買っていたマイクを使って、自分の声と喋りを少し録音して聞いてみる。
……。
自分で聞いててイヤになるほどキーもトーンも低い。恐ろしく華が無く、喋る事に全く向いていない、と言う事はとうの昔に解っていたはずなのに、わざわざそれを再確認してしまった。何と言うか、痛い。
まあそれなら曲だけで考えてみようか、とリアルプレイヤーのプレイリストをざっと眺めて、たとえばどんな曲を流してみるのか考えてみた。
……。
俺、本当に安心して人に聴かせられるの全然持ってないのな。(勝手に)打ちひしがれた気持ちになった。いきなり行き詰まる。頓挫。と言うか不成立。