ラララ地域の子

サークル絡みの用事で久し振りにそちら方面のバスに乗った時に、停留所にある掲示板に何ちゃら地区自治会の標語のようなものが貼られているのを見つけた。
「美少年に 愛の声をかけましょう」
美少年に、愛の声を、かける。地域の標語だから、地域の美少年には皆で声をかけて愛でましょう、と言うような意味か。勿論頭のどこかでは「そんなワケがあるか」と自己チェック機能が警告を発してはいるが、その一方で、通学路を歩く紅顔の美少年に地域のお母さんやおいちゃんがイイ笑顔で何くれとなく声をかけているところを思わず想像してかなり引いてしまった。そんな地域はイヤだ。大体、俺は美少年が別に好きではないので、その手のシチュエーションにあまり惹かれる事もない。
そう言う事を考えている間にバスは停留所から出た。その標語が視界から消える前に、実際には何と書いてあったのかは確かめようと(幾ら何でもこれは何かを読み違えていたのだと言う自覚はあった)少し身を窓側に乗り出して確認したら、
「青少年に 愛の声をかけましょう」
と書かれてあった。まあ妥当なところだろう。
……。
青少年は美少年を含むので、本質的なところで俺の読み間違えと大差がない気がする。