ヒゲ注意報、及び石臼について

スーパーで買い物をしていた時の話。花屋の脇を通り抜けた時に、ふと視界の端にこんな張り紙が入って来た。
「ヒゲに十分お気を付け下さい」
注意しなければならないヒゲ。なんだそれ。ものすごくヒゲが強くて街中を歩いているだけで周囲にヒゲが刺さるような奴の事だろうか。歩き煙草よりも傍迷惑なレベルのそれ(まあ、個人的には歩き煙草と同じくらい日傘の骨も危ないと思うが)。花屋の店主がそういう人なんだろうか。
と、ここまで考えてから立ち止まり、花屋の方にちゃんと向き直ってからさっき見えた張り紙をよく観察した。
「トゲに十分お気を付け下さい」
……。
サボテンの鉢植えに付いてる注意書きだった。もっと手酷い(ネタにしやすい)間違いを犯しているのかと思ったが、実際の文面と見間違いとにさほど差が無かったので、少し拍子抜けした。
しかし、ここは本来なら自分の洞察がそれほど外れてはいなかった事を喜ぶところではないだろうか。エクストリームな間違いでなかったので面白くない、などと自分で考えている時点でおかしい。明らかにこういうスタイルで日記を書いている弊害が認識に出ている。
以前、「あんたの芸風ってカツオの削り節みたいよね」って言われた事を思い出した。日記に失敗談を書く度に何かが削り取られている気がする。とてもする。