ザ・リアルレッドカリーブルース

天神西通りにあるカレー屋「ツナパハ」に行った。席に座ってメニューを見るとスリランカカリーを始めとして種々のカレーが載っていて、どのカレーの説明を読んでも美味しそう。座った席のすぐ傍にあったスパイスの瓶や周囲の客が食っているカレーから漂ってくる刺激的な匂いはいかにも食欲をそそる。ランチセットが好きなカレーにサラダ・紅茶・デザートがついて900円弱とまあまあの値段だったので、ランチセットを頼む事にした。
メニューの中に「勇気を持ってご注文ください」との一文が添えられているカレーがあった。「リアルレッドカリー」と言うのがそれで、辛さは五段階評価の満点、五つ星。一番辛いからと言うだけの理由で、ほとんど脊椎反射のレベルでそれを頼みそうになる。
しかし、この身は「勝算無しに攻勢に出るのは勇気ではなく蛮勇、もしくは無謀である」と言う教訓を「そのオムライスは、痛い」の時に高い授業料を払って学んだ身。答えは得た、大丈夫だよ遠坂。俺は自信を持って決断し、凛とした態度でウェイトレスに星三つ表示の「スリランカカリー」を注文した。
……。
星三つでも泣いた。


この書き方だとその店が誤解されそうなので補足しておくが、美味しいのはすごく美味しかった。「甘過ぎる」「苦過ぎる」「酸味が強過ぎる」は不味いと同義だが、「辛過ぎる」と美味いは両立し得るところが実に厄介だと思う。また行きたい。星一つから出直そうと思う。