駆り立てるのはソクラテス、横たわるのは犬と豚

えらく大仰な引用をしているが、例によって見出しタイトルにあまり意味は無いです。
http://symposium.seesaa.net/category/20765.html
5/4に行われた著作権法改正に伴う輸入盤CD規制に関するシンポジウムのメモ。興味のある方は是非ご一読を。
……しかし、このレコード輸入権問題は本当に酷いな。長い目で見れば、売る側も含めて得をする人が誰も居ないし、譲歩出来る部分やそういう理由なら仕方ないのかも知れないと思えるところも見受けられないし。話にならんと思う。
でも、自分がレコード輸入権が導入されて輸入盤が入って来なくなって困るかと言うと、実はそうでもない。元から国内盤が出ているものについては国内盤を買う事にしているし、国内盤が無いアルバムはあまり買わないからってのもあるが、何よりその時その時の状況や制度、限られた自分のサイフの範囲内で音楽の楽しみを最大限享受できる自信がまあまああるので、まあその時はその時なりの楽しみ方があるか、と思っているからだったりする。勿論、だからと言って反対しない訳も無いが。
そんな満足な豚であるところの俺から見ると、レコード輸入権について積極的・急進的に反対している人たちって「どんな状況になっても音楽は楽しめるよ」って言う風にはあんまり言っていないように感じられる。つまり、
1.著作権法が改正され、輸入盤CDが規制される。
2.すると、洋楽邦楽問わず3000円のCCCDしか買えなくなる。
3.それは困るから反対しようよ。
ってのが大枠での彼らの主張で、それ自体は全く正しい(ただし、「この問題についてちゃんと知識を仕入れて思考すれば辿り着く答えは反対しかありえない。ゆえに、反対を表明しない人は知識が無いか思考していないか、またはその両方である」みたいな論法に基づいて発言している人がたまにいて、そういうのを見ると萎える)んだけど、2と3の間で「そうなったらそうなったなりにでも音楽は楽しめる。でもそれでも……」とワンクッション置く事が必要なんじゃなかろうか、と。当たり前の事だからわざわざ口に出していないのかも知れないが、そこははっきり言っておいた方がより強靭な意見になる(「現在の大変恵まれた流通状況でなければ音楽を楽しめないのはおかしい。そう言った考え自体が音楽に対する冒涜だ」みたいな一見筋が通っているようでその実詭弁である類の反論を許さない)ように思う。それとも、強硬に反対している人たちは皆「3000円のCCCDしか買えなくなったらもう音楽聴かない」って思ってるんだろうか。まあそれならそれで意見としてアリかな、とは思う。同調は出来んけど。
で。豚でもソクラテスでもない犬、まあ要するに今現在輸入盤CD規制を推進している人たちなんだけど、これがもし通ったら狡兎死して走狗煮らるの故事通りのオチになりそうな気がする。ただ、犬鍋を食うのが誰なのかは解らない。


ちょっと長くなったので、LAMB OF GODの感想は明日に。感想を書きたいアルバムが幾つかあるので、しばらく日常ネタを挟みながら書くと思う。