快晴。

午前中、遺品の整理と部屋の片付けに呼んで貰ったので、それの手伝いをしに行った。2体組ロボットのキーホルダーとか可愛いブックカバーとか残ってた煙草とか、そういう細々としたものを分けて貰って、貸していたバッグを受け取って、やはり貸していた古い扇風機(クローゼットの奥から出てきた。見るまですっかり忘れてた)と米は俺の家に宅急便で送る。家族の方に挨拶をして、お骨に手を合わせて、近所でビール飲みながらラーメン食って、幾つかの思い出話をする。遺影には、俺の携帯で撮った写メールと運転免許書の写真を使うことにした、らしい。そして、2時過ぎに暇乞いをした。そもそも引越しの準備中だったという事もあって生活感は綺麗に無くなっていたが、気配は部屋に残っていた。あと、壁に染み込んだ煙草のヤニも。
一昨日と昨日は風も雨も強くて寒かったが、今日は暖かくて綺麗に晴れたいい天気だった。要するに、そういう事なんだと思う。一昨日から今日までの間、彼女に関わった人たちは、みんな自分に出来る事をちゃんとした、だから今日は良く晴れたのだと思う。取調べに来た年配の警官に「こういう時どうするかであなたの力量が試される」と励まされたんだけども、力量云々はまあ別としても、周りの人たちの力を沢山借りつつ何とかマトモにやれた気がする。本当に、ありがとう。
福岡の都市部は、空港が近くにあるせいで人口や開け具合の割には空が広い。彼女はそれが好きだとよく言っていた。寂しくない訳が無いし悲しくない訳も無いけど、その広くて雲が無くて透明で青い空を見て、穏やかでいい気分になれた。今日は好い日だったと思う。
……と綺麗に締めたいところなんだけど、昨晩飲み過ぎたせいで腹壊した。痛い。