ダンスダンスダンス

普段あまり通らない道を歩いていて、道端の雑居ビルらしき建物の窓にふと目をやるとこんなロゴが書き付けられていた。
「原ダンス教室」
原ダンス教室。
きっと、原先生の主宰する普通のダンス教室なのだと思う。ダンスに情熱を傾ける人たちが、厳しくも優しい原先生に教わりながら一生懸命に、かつ楽しく自己研鑽を続ける場なのだと思う。
けれども、その教室で行われているのは本当に社交ダンスやジャズダンスの類なのだろうか。一抹の不安が脳裏を過ぎる。ここは、ひょっとしたら、腹部に人の顔を模した絵をでかでかと書き付けた人々が宴会芸のための厳しい特訓を重ねる場所なのではないだろうか、と言う不安が。原ダンス。一度芽生えた不安が消える事は無い。それどころかどんどん不安は大きくなってゆく。あまつさえ、ヒゲダンスとの区別が曖昧になって来る。腹ダンス。
……。
原ダンス銀河。