はっちゃけあやめさんロイヤル

昼少し前、今日は何となくファミレスで食べたい気分だったのでロイヤルホストに入った。テーブルに座ると、ウェイトレスがメニューを持って来たのでそれを眺めながら何にするかじっくり考える。俺は何を頼むか決めるまでにかなり時間がかかる方で、注文を聞きに来た店員に二度手間を取らせてしまう事が多いのだけれども、今日はタイミング良く注文を決めるとほぼ同時にウェイトレスが来てくれた。
「ご注文は何になさいますか?」と聞いてくるウェイトレスが最初にメニューを持ってきた人とは別人だったので、何となく彼女の方を向くと、丁度自分の視線と同じくらいの高さにあった彼女の名札のところに目が行った。「○○ あやめ」と、その名札には書いてある。
うわ、良い名前。しかもなかなか見かけないものだったのでちょっと感動してしまった。彼女本人のぱっと見が名前負けしていない、と言うのが更に良い。今日ここで昼飯を食う事にして良かった。
問題なのは、名字もその時一緒に見たはずなのに覚えていない、と言う事だ。「蓼科」とか「鯵原」とかそんな感じの結構画数の多い漢字が入った二文字の名字で、「あやめ」と言うひらがな名前に嘘臭いほどマッチしていた(今時、芸能人の芸名にだってならないくらいに綺麗にハマっている)字面だった事は覚えているんだが……実際にどんな名字だったかがいくら考えても思い出せない。いや、思い出せないというのは不正確で、そもそもの最初から全体の印象の良さとインパクトの強さだけが頭に残っていて、名字をちゃんと覚えようとしていなかったのだと思う。だから、多分どれだけ考えても思い出せない。迂闊。
……。
ロイヤルのコスモドリアが、食べたくなってきた。