実験

「少年アリス」の感想を書きながら聴いていると、菅野よう子は一曲の中で一箇所は実験的、と言うか妙なアレンジをやっているような印象を受けるが、それが歌の邪魔になっていないどころか必然性のあるアレンジになっている辺りがとても好きだし、格好良いと思う。色々な遊びを入れているようで、しっかりと坂本真綾の歌を中心に据えられていて、その軸がぶれていない、と言うのはソロシンガーのプロデュースとして当たり前っちゃ当たり前なのかも知れないけれども……と、ここまで書いていてふと思った事だが、実験的な方向に走るバンドって必ずしも歌を中心に据える必要がないバンドが多くないだろうか。要するに、全員が何か楽器を持っていて、専任のヴォーカリストがいないパターン。例えば、3ピースだとヴォーカルはまず間違いなく楽器のいずれかと兼任で、そういうバンドだと歌わなくても楽器弾いたりしていれば良い訳だから、割と実験的なインストとかやりやすい気がする。そして、そう言った実験的な志向が、歌の魅力と言うかメリットを後回しにしがちであるようにも思う。
まあ、ないがしろにされがちな専任ヴォーカリストがいるバンド、ってのもあるにはあるが。ないがしろにされがちな専任ヴォーカリストって言うか、ラブリエ。