Mo'some TonebenderとDream Theater

一週間前と同じ組み合わせ。モーサムは、Dislike Musicで結構厳しい事を書いてしまった(最終的に読む人にポジティヴでない印象を与える書き方をしたのは初めてのような気がする)んだけども、部分部分で見ると唸らされるところも多いし、改めて強調したいが前半は本当に格好良い。ただ、やっぱり後半は息切れしてしまうと言うか……あと一曲、7曲目と8曲目の間くらいにアグレッシヴな曲があると印象がだいぶ違ってきたんじゃないかと思う。モーサムが元々持っているサイケ感覚やユーモアのセンス、ノイズとグルーヴの快感はどこかダンスミュージックに通ずるところがあったので、新機軸がもう少しこなれていくともっとずっと格好良いものが出来そうな予感はあるんだけども、曲がやや長い・インストが10曲中3曲(2つのタイトルトラックはいずれもほとんどインストなので、実質5曲)と言った辺りも含めて、このアルバムはまだ仕込中という感じだった。
で、Dream Theaterのすぐ後にMullmuzzlerの感想書いたのは、新譜でのラブリエの仕事振りに不満があるからじゃないです。むしろラブリエはすごく良いと思う。では何故Mullmuzzlerの感想書きたくなったかって言うと、「Train Of Thought」の幾度目かのリピートの後にジョーダン・ルーデスのパートにちょっと弱さを感じて、Mullmuzzlerを聴きたくなったから。このアルバムでキーボードを弾いているマット・ギロリーは場面場面に合った音で曲の雰囲気をはっきりと浮かび上がらせるのがとても巧く、こういう雰囲気作りの巧みさがジョーダンに備わっているともっと良いのに、と新譜を聴いていて思う場面がちょくちょくある。極端にヘヴィネス志向の「Train Of Thought」だからキーボードのパートの比率が相対的に落ちるのは解るが、それを差っ引いて考えても新譜でのジョーダンは音色に対してあまり拘りを持っていない気がする。キーボード(と言うか、シンセサイザー)の利点の一つにギターに比べて遥かに多彩な音色を自由に選んだり作ったり出来ると言うのがあるので、その音色の追求が徹底していないのなら三柴理やマシュー・ベラミーのようにいっそピアノ主体で組み立てて行くのも一つの手であるように思う。