Music City Tenjin

試験を済ませてから慌てて天神まで戻って来ると、13人か14人編成のジャズ/ファンクバンド、Datecourse Pentagon Royal Gardenの演奏はもう始まっていた。予定開始時間が15時半、俺が着いたのが15時50分くらいだったから、20分弱の遅れ。
DCPRGは音源を聴いた事が今まで無くて全くのぶっつけ本番だったんだけども、めちゃめちゃ格好良く、それでもって気持ち良かった。ギター二本、管楽器たくさん、ベースとツインドラムとタブラとパーカッション、キーボード×2が各々好き勝手なリズムを叩いてメロディを鳴らしたかと思えばリーダーの菊池氏の指揮の元でざざっと全員の音が一斉に収束して強烈なうねりを作り出す。その、バラバラな時と一丸となった時の激しい落差が凄まじく気持ち良い。と言うより、ポリリズムやら変拍子やらが張り巡らされてどのリズム・どのフレーズに乗って良いのか読めずに焦らされながら、それでもどこかのリズムに乗って身体を揺らしながら、じりじりと曲と演奏のテンションが上がっていくのを感じ取り、そして一気に全ての音が一つになるパートに突入した時に聴いてるこっちも脳味噌溶けそうになる、みたいな感じ。
全部で5曲やったみたいだが、個々の曲がどうとか演奏がどうとか言うよりも(まぁ、曲を知らないってのもあったが)バンド全体が作り出すエネルギーの渦が凄かった。リズムとか楽器の音の絡み合いとかものすごく複雑なのに、やっぱり踊らせる事が主眼なのかあくまで享楽的で、全体としてはものすごく解りやすい。なんか、試験の疲れと会場に着いてすぐ買って飲んだビールのせいかアホみたいにハイになって踊ってました。って言ってもロクなリズム感も無ければ踊り方も知らないが、まあそこはそれ。適当に身体動かしてるだけでも十分に楽しかった。特に、最後から2番目(多分、"Circle/Line"って曲)の曲が良かったな。7拍子は本当に気持ちいいリズムだと思う。聴いていたのは正味4,50分だったと思うが、あっと言う間だった。これは、もっと長い時間観たかった。


で、その後にZAZEN BOYS。アンコールでやった「Dealayed Brain」以外はやはり知らない曲だったが、基本的には「Num-heavymetallic」で試していた事の延長線上にある曲が多かったように思う。「Num-Ami-Dubz」の早口とも念仏ともラップともつかないヴォーカルスタイルをさらに推し進めた曲、祭り囃子のリズムとフレーズを骨格に持つ曲が印象的だった。曲によってはプログレっぽい展開を持っていたり、ギターノイズがシャギャーと辺り一面を覆い尽くす曲があったりと、7〜8曲くらいだったが一曲一曲でかなり表情が違っていたと思う。バンドサウンドは金属質で鋭く重く、ギャンギャン鳴ってるギターよりもドラムとベースが叩き出すリズムの方が目立っているような感じ。アヒトイナザワのドラムは前に観たときよりも凄い事になっていた。長めのドラムソロとかやってたな。
当然のように文句無く格好良かったんだけども、攻め一辺倒のシンプルな曲がなく、どちらかと言えば複雑な作りの曲が多かったため、予習無しにいきなりこれはちょっと乗り辛いかな、と思った。かなり前の方で観てたんだけど、周りの人も少し戸惑い気味に見えたし。どの曲も、アルバムなり何なりの音源をある程度聴いている方が楽しめるタイプのものだったと思う。アンコールのナンバガ曲「Dalayed Brain」はよりレゲエっぽいアレンジにされていて、これはこれで面白かったんだけど最後はアップテンポの曲を期待していたところもあったので、どことなくさらっと受け流されたような気分にはなった。ただ、ZAZEN BOYSをアピールする事と、皆が知っている曲を演奏する事の兼ね合いとしては良い選曲だったようにも思う。


結局54-71は観られなかったけれど、これだけのメンツが市役所前広場(福岡に来た事のない方には解り辛いと思うが、本当に市街地ド真ん中のド真ん中、四方を市庁舎やデパートに囲まれているスペース。ついでに言うと市役所前広場って事は市長室の直下でもある)でフリーライヴをやってしまうってのはやっぱり凄いことだし、粋だし、痛快だと思う。このイベントは毎年やってたらどんどん良いものになっていくだろうな。昨日はダイエーがマジック1ってのも重なってたせいで、街を歩いてたらあっちこっちから音楽とか歓声とか聴こえてきて、本当にお祭りって感じだった。ライヴが終わったあと、ダイエーの応援で熱くなりまくってる人たちの波をすり抜けてCD屋でDCPRGのアルバムを買ってから帰りました。